”緑内障では眼圧を下げることが大事”と言われていますが
「どんなときに眼圧があがるの?」
「具体的にどんな行動をすると眼圧があがるの?」
と疑問を持ったことはありませんか?
私自身、36歳で緑内障と診断されてから「眼圧」に非常に敏感になっており、どんなことをやったら眼圧が上がってしまうのかを各方面から情報収集してきました。
この記事では私が集めた眼圧についての情報※をまとめています。
※目の有識者(眼科医)の情報、書籍の情報、ネットの情報、緑内障患者に聞いた体感など
緑内障の患者の方、高眼圧症の方など眼圧についてより理解を深めたい場合は参考にしてください。
先に押さえておきたいこと
眼圧が一時的に変わることと、緑内障が何年もかけて進むことは、分けて考える必要があります。一度上がったらすぐ視野が欠ける、一度下がったら治療になる、という話ではありません。
日常の行動を全部やめるための一覧ではなく、気になることを具体的に調べるために読んでください。
・食べ物や飲み物が気になる方は、食事・コーヒー・水の項目へ。
・仕事や運動が気になる方は、スマホ・筋トレ・有酸素運動の項目へ。
・寝方や旅行が気になる方は、姿勢・飛行機の項目へ。
急な強い目の痛みや見えにくさがあるときは、読み進めるより先に眼科や救急へ相談してください。
眼圧とは
房水(ぼうすい)の圧力のことを指します。
「房水って何?」
と思っているかも知れないので説明しておきますね。

房水とは、角膜と水晶体の間など、目の前のほうを流れる透明な液体です。
この房水の外側に対する圧力(図の赤矢印)を眼圧といいます。
眼圧が高くなる原因
通常は眼圧を一定に保つために房水の生産、排出がコントロールされています。
房水は毛様体でつくられ、主に隅角にある線維柱帯という組織を通り、シュレム管へ流れ出ます。
房水が排出されにくくなると、眼圧が高くなることがあります。
隅角が狭くなる場合だけでなく、隅角が開いていても排出がうまくいかない場合があります。
同じ「眼圧が高い」でも、房水の通り道が狭いのか、通り道は開いているけれど流れにくいのかで、気をつけることが違います。
このあと出てくる「暗い場所」や「市販の風邪薬」の話を読む前に、自分の隅角は開いているのか、狭いのかを知っておくと、必要な注意が分かりやすくなります。
眼圧が高い時に出る症状
眼圧が高くても、自覚症状がないことは少なくありません。
急に眼圧が上がったときなどには、次のような症状が出ることがあります。
■頭痛
■目のかすみ
■目の痛み
■吐き気
■眼精疲労
ただし、これらの症状だけで眼圧が高いかどうかは分かりません。
急な強い目の痛みや見えにくさ、吐き気があるときは、急性緑内障発作などの可能性があります。
様子を見ずに、すぐに眼科や救急へ相談してください。
症状がなくても、眼圧は検査で確認することが大切です。
眼圧が高いと「緑内障」になりやすい
緑内障とは、視神経が傷つき、見える範囲に異常が出る病気です。
眼圧の高さは重要な危険因子ですが、眼圧が正常範囲でも発症することがあります。
「視野が狭くなったり」「一部が見えなくなったり」、進行すると失明することもある怖い目の病気です。
⇒緑内障対策の新常識!点眼での眼圧ケアは当たり前…緑内障の進行速度を遅らせるのに●●●●が有効か!?
眼圧との関係が気になる行動
一時的に眼圧が変わることと、緑内障が発症・進行することは、分けて考える必要があります。
ここに挙げた行動を、すべて避けなければいけないわけではありません。
■肥満の原因となる、脂っぽいものの摂りすぎ
体格を表すBMIと眼圧の高さに関連がみられた研究があります。
日本の多治見スタディでも、BMIが高い人ほど眼圧が高い傾向が報告されています。ただし、食べ物を変えたり減量したりして、緑内障の進行が止まるかを調べた研究ではありません。
ただし、「脂っぽいものを食べると、そのまま眼圧が上がる」という意味ではありません。
肥満に繋がりやすい栄養素として挙げられる代表的なものが脂質です。
脂っこい物や脂身の多い肉類などは脂質が多く、エネルギーとして消費されない分は体に溜まり肥満の原因になります。
脂っぽいものの摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。
食事をパーっと見たときに、揚げ物ばかりになっていませんか?
からあげ、コロッケ、メンチカツなどが続いているなら、副菜を足すなど、食事全体の偏りを見直すきっかけにはなります。
食生活をもう一度見直してみましょう。
■不規則な食生活
忙しさで食事が抜けたり、手軽な物ばかりに偏ったりしていないかを振り返ってみましょう。決まった時刻に食べれば眼圧が下がる、という方法ではありません。
■アルコールのとり過ぎ
飲酒と眼圧の関係は、飲む量や測るタイミングなどによって違います。
あくまでも飲みすぎるのがNGです。
一時的に眼圧が下がるという報告もありますが、眼圧を下げる目的で飲むことはすすめられません。
アルコールを摂取する場合は適量にとどめるように意識しましょう。
■コーヒーなどのカフェインの取りすぎ
コーヒーには多くのカフェインが含まれています。
カフェインを含むコーヒーを飲んだあと、一時的に眼圧が上がったという研究があります。
106人を対象にした試験では、カフェイン入りコーヒー237mLを飲んだ場合、カフェインをほぼ含まないコーヒーと比べて、60〜90分後の眼圧が平均約1mmHg高くなりました。
これは飲んだあとの短い時間の変化で、何年後の視野がどうなるかを調べた結果ではありません。
ただし、コーヒーの大きさや濃さ、目の状態によっても違うため、「1日2杯なら誰でも大丈夫」とは言い切れません。
過度に神経質になる必要はありませんが、一度に大量に飲むことは控え、気になる場合は主治医に相談してください。
1日3杯以上のカフェイン入りコーヒーと、落屑緑内障やその疑いとの関連を調べた研究もあります。
ただし、これは「3杯飲むと視神経が傷つく」と証明したものではありません。
■体を冷やす食べ物
「体を冷やす食べ物」という分類だけで、眼圧が上がるとは言い切れません。
冷たい飲み物や特定の野菜を、その呼び方だけで避ける根拠にはなりません。目のための食事を考えるなら、食品を「冷やす・温める」で分けるより、食べすぎや偏りを見るほうが具体的です。
■ステロイド薬を使う
ステロイド点眼薬は注意。
花粉症の治療などでステロイド点眼薬を処方されることがあるので注意。
ステロイド薬で眼圧が上がる人がいるため、使用中は眼科での確認が大切です。
ただし、処方された薬を自己判断でやめないでください。眼科と、薬を処方した医師に相談しましょう。
確認したいのは、薬の名前、使っている期間、次の眼圧検査の時期です。
「ステロイドが怖いからやめる」ではなく、「この薬を使っている間、いつ眼圧を確認すればいいですか」と聞くほうが、必要な治療を続けながら目の状態も確認できます。お薬手帳があると、別の科で処方された薬も伝えやすいです。
■慢性的な眼精疲労
目が重い、しょぼしょぼする、作業を続けるとつらい。そうした感覚と、検査で測る眼圧は同じものではありません。
休憩で楽になるのか、かすみが続くのか、左右どちらなのか。気になる症状は「眼圧が上がった気がする」だけでなく、何をしているときにどう困ったかを伝えると、診察で状況を説明しやすくなります。
■目の酷使と緑内障
目の疲れだけで、緑内障が悪化したとは判断できません。
目を使わないようにするより、疲れたらいったん作業を区切る、文字を読みやすい大きさにするなど、まずは無理なく使える環境を整えることができます。
■暗い場所での作業
暗い場所で瞳孔が広がると、もともと隅角が狭い人では房水の出口がふさがり、眼圧が上がることがあります。
緑内障の人全員に、同じ危険があるわけではありません。
■睡眠不足やストレス
睡眠不足やストレスだけで、眼圧の変化や緑内障の進行を判断することはできません。
緑内障患者に緊張を伴う課題を行ってもらい、そのあとに眼圧が上がったという小規模な試験はあります。一方、睡眠の研究では、不眠や日中の眠気などと、その後の緑内障の診断との関連が調べられています。
どちらも、「昨日心配したせいで進行した」「一晩寝不足だったから視野が悪くなった」と言える話ではありません。
不眠や強い眠気が続くなら、眼圧のことだけでなく睡眠そのものの問題として相談できます。心配してしまう自分を責める必要はありません。
■喫煙
緑内障患者を長く追跡した研究では、それまでの喫煙量が多い人ほど、視野の悪化が速い傾向がありました。これは一時的な眼圧ではなく、長期の視野変化を調べた研究です。
たばこは全身の健康のためにも禁煙を考えたいところです。なかなかやめられない場合は、一人で頑張るだけでなく、禁煙外来などの支援を使う方法もあります。
■短時間で大量の水を一気に飲む
通常の水分補給まで控える必要はありません。こまめに水分を摂りましょう。
ソース(https://www.ryokunaisho-plus.jp/faq/case04.html)
眼圧の変化をみる「水負荷試験」では、例えば1リットルを5分以内に飲み、その後の眼圧を測っています。こうした条件で一時的な上昇が確認されています。
普段コップ一杯の水を飲むのと、検査で大量に飲むのは条件が違うんですよね。水を我慢するのではなく、一度にまとめて飲まない、と考えてください。別の病気で水分量の指示を受けている人は、その指示に従ってください。
■運動不足
運動不足や目の疲れだけから、眼圧が高いとは判断できません。
眼圧が心配だから、なるべく動かないほうがいい、ということではありません。日本緑内障学会も、ウォーキングなどの適度な有酸素運動をすすめています。
散歩など無理なく続けられるものから考えればよく、目のために急に激しい運動を始める必要はありません。
■大声を出すことと、私の体験
ゴスペルを習っている緑内障患者の方がゴスペル練習後に眼圧を測ったら数値が高かったという事例あり。
ただし、こうした体験談だけで、「大声が眼圧を上げた」「緑内障の原因になった」とは判断できません。
実は私自身もオールでカラオケをして帰宅途中に右目に激痛が走って飛蚊症になったことがあるため、日頃から長時間大声を出すことはなるべく控えています。
ただ、このときの出来事と緑内障の発症に関係があるかどうかは分かりません。
この記事に書いた体験だけでは、そのときの眼圧は分かりません。大声だけでなく、徹夜もしていたときの話です。何が原因だったかを、あとから一つに決めることはできないんですよね。
歌うこと自体を一律に禁止する話と、急に痛くなった目を診てもらう話は分けて考えてください。似た症状が起きたときは、カラオケのせいだろうと片づけず、受診が必要です。
■うつ伏せで寝る
うつ伏せや、目を枕に押しつける姿勢で、眼圧が上がることがあります。
ただし、時間だけで安全・危険を一律に決めることはできません。
まず見直しやすいのは、顔を枕に埋めて目を強く押しつける姿勢です。体の向きだけでなく、目に直接かかる圧にも注意します。
ただし、手術後に寝る向きを指定されている場合は、その指示が優先です。
■側臥位で寝る(そくがい。体を横にして寝る)
横向きでは、下側の目の眼圧が高くなったという研究があります。
ただし、寝方を変えれば緑内障の進行を防げる、とまでは言えません。
⇒ここに詳しく書いている(http://www.satouganka.com/blog/2032/)
健常者において仰臥位での眼圧は座位と比較しやや上昇することは以前から指摘されています。
さらに正常眼圧緑内障症例において、仰臥位と座位との眼圧変動幅が大きいほど視野進行が大きいことが数年前に指摘され、このような体位変動に伴う眼圧変化が緑内障分野でのトピックとなっています。
海外からは、健常者において腹臥位(うつ伏せ)でも眼圧はやや上昇し、その上昇幅は仰臥位よりも大きいとの報告もあります。
また、側臥位(横向き)の場合、上側の眼の眼圧は仰臥位と同様だが、下側の眼の眼圧は仰臥位よりもやや上昇するとされます。さらに、30度程度上半身を起こした状態(起座位)では、仰臥位よりもやや低下するとの報告もあります。
なにやら非常にややこしいですが、詰まるところ「就寝時の眼圧は、下がることはなく、むしろ上がる」ということです。
では眼圧を上げないためには、一体どうやって寝れば良いのでしょうか…..正解は「座ったまま寝る」ということになりますが…..それは全く現実的ではありませんね。
就寝時における仰臥位か腹臥位かの「習慣」による緑内障進行度の差は、現状では全く不明のため、緑内障症例においてうつ伏せが進行を加速させるのか否かは今後検討されるべき事項です。
この引用は、座ったまま寝ることをすすめるものではありません。
引用中の「下がることはなく」は強い表現ですが、睡眠中の眼圧が全員で同じように変化するわけではありません。
上の文章は、当時参考にした眼科のブログからの引用です。寝方と眼圧を調べる研究はありますが、寝方を変えることで将来の視野を守れるかは別に確かめる必要があります。寝返りのたびに心配して、眠れなくなるほど制限する話ではありません。
■逆立ちなど、頭を下げる姿勢
頭を下げるヨガの姿勢では、一時的に眼圧が上がったという研究があります。
ただし、この変化だけで緑内障の進行を判断することはできません。
⇒ソース(http://www.hirataganka.com/news/525/)
緑内障の方10人と健康な方10人を調べた研究では、頭を下げる4種類のヨガの姿勢で眼圧が上がり、座った姿勢に戻ると数分以内に元の水準へ戻りました。
ヨガを全部やめるのではなく、頭を下げた姿勢を長く保つポーズを別の動きに替える、という調整が考えられます。この研究から「何分までなら安全」と決まるわけではありません。
■ダイビング
水圧が高くなるからといって、そのまま眼圧も上がるとは言い切れません。
ダイビングによる眼圧の変化を調べた研究はありますが、緑内障への影響を一律に判断することはできません。
健康なダイバー16人、計96回の潜水を調べた研究では、潜る前と浮上後の眼圧に有意な差はありませんでした。ただし、水中でずっと測定していたわけではなく、緑内障のある目の安全を保証する結果でもありません。
潜りたい場合は、予定している潜水の内容、目の手術歴、使っている点眼薬を伝えて確認するのが具体的です。
■抗コリン作用を持つ薬を飲む
一部の胃薬や風邪薬などに含まれる抗コリン作用のある成分は、隅角が狭い人で発作のきっかけになることがあります。
使えるかどうかは緑内障のタイプや治療状況によって違います。医師や薬剤師に確認してください。
薬を買うときには、「緑内障です」だけでなく、分かれば緑内障のタイプと使っている目薬も伝えます。
薬の箱の注意書きが気になったら、商品名を見せて確認するのが具体的です。「風邪薬は全部だめ」とまとめて覚える必要はありません。
■ベンチプレス(急激な眼圧変動をきたす)
ベンチプレス中に眼圧を測った研究では、息を止めたときのほうが、息を吐きながら行ったときより眼圧の上昇が大きくなりました。
気をつけたいのは「筋トレ」という名前より、息をこらえて強く踏ん張る動作です。息を止め続けないことを意識し、高負荷のトレーニングは重さや回数も含めて、自分の目の状態に合うか確認しましょう。
■トイレでの排泄時に力む
息をこらえて強くいきむと、胸やお腹の圧が高まり、静脈を通じて目の圧にも影響します。
ただし、排便のたびに緑内障が進む、という意味ではありません。毎回長く力まないと出ない、便秘がつらいという場合は、その困りごとを改善することから考えてください。
■動作に瞬発力を必要とするスポーツ
瞬発力を使うというだけで、緑内障が進むとは判断できません。
■くしゃみと、目の前に光が見える症状
くしゃみをした時に、目の前を星が飛んでいるように感じることってありませんか?
ただし、光が見える原因を、くしゃみや眼圧の変化だけで判断することはできません。
急に飛蚊症が増えた、光が走る、視野にカーテンのような影が出たときは、網膜の病気の可能性もあります。
すぐに眼科へ相談してください。
■咳をする
咳は必要があって起こる反応です。眼圧を心配して無理に止めようとするより、長引く咳は原因に合った治療を受ける、という捉え方になります。
■鼻をかむ
咳や鼻をかむ動作だけで、緑内障が進むと決めつけることはできません。
健康的な生活は大切ですが、ここに挙げた行動をすべて避ければよいわけではありません。
日常生活で気になること
■適量のお酒を飲む(アルコール摂取。大量摂取はNG)
⇒お酒の摂取量の目安(http://cjnext.com/333)
「適量」と書いてあっても、緑内障のために飲んだほうがよい、という意味ではありません。飲んだ直後に眼圧が下がる報告と、普段の飲酒量が多い人の眼圧などを調べた報告では、見ている時間も条件も違います。
飲む人は、飲みすぎだけでなく、酔って点眼を忘れてしまうことにも気をつけたいですね。普段飲まない人が、目のために飲み始める必要はありません。
■仰向けで寝る
座っているときより眼圧が高くなることはありますが、だからといって仰向けで寝てはいけないという意味ではありません。
■パソコン、スマホをする
パソコンやスマホを使うことが、そのまま緑内障の進行につながるとは言えません。
ただし、隅角が狭い人は、暗い場所でうつむいて長時間使うことに注意が必要です。
スマホで動画を30分見ている間に眼圧を測り、小さな上昇を報告した研究はあります。そこで分かるのは数十分の変化で、画面を使った時間の分だけ緑内障が進むということではありません。
部屋を明るくし、文字の大きさを調整し、顔を近づけすぎずに見られるようにする。疲れたら画面から目を離す。まずは使いやすさを整えるところからでよいと思います。
■お風呂に入る
健康な若い成人34人が39℃のお湯に20分つかった研究では、入浴後に眼圧が下がりました。ただし、血圧なども同時に変化しており、緑内障の人の視野を長く守れるかを調べた試験ではありません。
お風呂を眼圧対策にして、熱さや時間を増やす必要はありません。サウナは温度や条件が違うので、同じ結果が出るとも言えません。
飛行機や運動と眼圧の関係
■飛行機に乗る
私は飛行機に乗ると眼圧が上がると思っていました。
10代で緑内障になった外国人が「旅行する際に飛行機に乗って眼圧があがるので注意が必要」と言っていたネット記事をみたことがあったため)
飛行中の眼圧の変化を調べた報告はありますが、誰でも同じように下がるとは言い切れません。
飛行機に乗ることを、眼圧対策としてすすめるものではありません。
⇒ソースはこちら(飛行機と眼圧の関係:河野眼科Q&Aブログ)
健康な25人を機内で調べた研究では、離陸後に大きく上がらず、飛行2時間後には平均眼圧が下がっていました。対象が健康な人だったことと、短時間の測定だったことがポイントです。
緑内障というだけで、普通の飛行機移動を一律に避ける必要はありません。旅行では点眼薬を手荷物に入れるなど、いつもの治療を続けられる準備をしておきましょう。
ただし、網膜などの手術で目の中にガスが入っている場合は別です。高度が上がるとガスが膨らみ、眼圧が危険なほど上がることがあります。ガスがなくなり、担当医から許可が出るまでは飛行機に乗らないでください。
■ジョギング
走ったあとに眼圧が下がる報告はありますが、速く、長く走るほど目によいと決まっているわけではありません。
普段走らない人は、まず歩くことからでも構いません。眼圧を下げようとして急に負荷を増やすより、無理なく続けられる運動を選びましょう。
■有酸素運動
緑内障やその疑いがある人の活動量と、長期の視野変化との関連を調べた研究もあります。ただし、運動をする人としない人を無作為に分けた試験ではなく、運動だけの効果とは言い切れません。
眼圧を下げる治療と、食事やガムの話
■目薬を点眼
これは誰でも知ってますね。笑
点眼は、眼圧を下げる代表的な治療です。病気のタイプや状態によっては、レーザーや手術も選択肢になります。
目薬をさしたあとに見え方が変わらなくても、それだけで「効いていない」とは判断できません。緑内障の目薬は、失われた視野を戻すというより、これからの進行を抑えるために眼圧を下げるものだからです。
さしにくい、しみる、続けにくい時間帯がある。そういう困りごとも、生活習慣の工夫より先に解決したいところです。自己判断で回数を減らす前に、具体的にどこで困っているかを伝えましょう。
■運動
適度な有酸素運動で、眼圧が下がることがあります。
詳しくは上のジョギング・有酸素運動の項目で紹介しました。運動した日も、処方された点眼はそのまま続けてください。
■食事
緑の葉物野菜を多く食べる人で、原発開放隅角緑内障の発症が少なかったという追跡研究があります。
ただし、これは食生活を調べた観察研究で、診断された人が野菜を増やすと眼圧が下がる、という試験ではありません。特定の食品やサプリメントだけに期待するのではなく、食事全体の偏りを減らすくらいの取り入れ方になります。
■ガムを噛む(これ意外!!)
ネットで情報収集していたら以下のような情報を見つけました!
少人数の健康な人を対象に、ガムを噛んだあとの眼圧を調べたという情報です。
以下は、当時読んだ紹介記事からの引用です。研究の報告自体はありますが、ここに書かれた数値や血流の説明を、原著の本文で確認できているわけではありません。
21~46歳の目に疾患のない健康な女性6人に、毎分80回のペースで20分間、ガムをかんでもらいました。
そうして、ガムをかむ前、ガムをかみ終えた直後、さらにその20分後と3回にわたって眼圧を測定しました。
その結果、ガムかみを行う前の6人(12眼)の平均眼圧が14.8ミリメートル水銀柱(以下ミリ)だったのに対し、ガムかみの直後には13.8ミリと明らかに眼圧が低下していることが確認されました。
値だけ見れば、わずか1ミリですが、具体的に調べると、対象となった12眼中9眼で眼圧が下がり、2眼は変化なし、眼圧が上昇したのは1眼だけでした。
中には、前後の変化率で15%以上も眼圧が低下した人もいました。しかも、ガムかみを行って20分後の眼圧測定では、平均眼圧が13.5ミリで、ガムかみ直後とほぼ同じ値を保っていました。
つまり、ガムかみによる眼圧低下作用は一時的なものではなく、その後もしばらくの間は持続することもわかったのです。
参照:http://www.karadane.jp/articles/entry/news/006426/
紹介記事では、眼圧が下がった理由として次のような可能性を挙げています。
ガムかみのリラックス作用で自律神経の調整が促され、房水の産生・排出になんらかの影響を及ぼしたと考えられる。
参照:http://www.karadane.jp/articles/entry/news/006426/
ガムかみ後の目の血流量は、ガムをかむ前に比べて70%も増加していた。
眼圧には、目の血流も大きく影響しているため、ガムかみによって目の血流が促されることで、眼圧が下がったと考えられます。
参照:http://www.karadane.jp/articles/entry/news/006426/
尚、この試験は健康な人を対象に行われたため、緑内障の患者に同じような効果があるかどうかは不明です。(被験者数も10人以下と少ないため信憑性は定かではありません)
ガムで緑内障の進行を抑えられると確認されたわけではなく、治療の代わりになるものではありません。
引用では「一時的なものではなく」と書かれていますが、20分後までの話も短期の変化です。毎日噛み続けたら視野が守れる、という意味ではありません。
この記事を書いた当時は、次のように考えていました。
「1日20分ガムを噛むだけなのでダメ元で試してみてもいいかもしれませんね。私は今日からやってみようと思います。(クロレッツ買って来ようっと…笑)」
眼圧の数値が気になったときに聞きたいこと
眼圧は一日の中でも変わります。前回より少し高かったとしても、直前に食べた物や昨日の行動だけを原因にすることはできません。
次の診察で確認するなら、例えばこんな聞き方です。
・私の目標眼圧はどのくらいですか?
・今回の数値だけでなく、視野や視神経の検査では変化がありますか?
・私の緑内障のタイプでは、生活上とくに気をつけることはありますか?
この記事のまとめ
この記事では眼圧があがる行動や原因を幅広くお伝えしました。
すべてを気にしていたら何も行動できなくなってしまうので、過剰に気にすることはありませんが、心の片隅に留めておくとよいと思います。
緑内障は原因が明確に分かっていない病気です。
ただし、この記事に挙げた行動が、私やあなたの緑内障の原因だったとは判断できません。
生活で気になることがあれば、無理に制限する前に主治医に相談してみてください。
以上、ご精読ありがとうございました。
緑内障対策の新常識!緑内障の進行速度を遅らせるのに有効な方法とは?

